12月19日の日記

2009年12月19日
Takamatsu Contemporary Art Annual vol.00 vision of captured Time

行ってきた。ちょうどキュレータートークやっていた。off-Nibroll、しばたゆり、梅田哲也、赤松きよ、志賀恵理子。

off-Nibroll(映像、ダンスパフォーマンス、インスターレーション)
いちばんわかりやすかったというか。プロジェクター2台使ってでかでか映してた『ブリリアント』(2009)が好きでずっと見てたんだけど、今思ったら、あそこでダンスやってたのかも。雨粒なのか、雹かなにかなのかが黒い背景に延々振り続ける映像。時々スローモーションで見えたり、地面に叩き付けられたりするカットが入る。雨音か、虫の羽音か、それともドラムの音か何か「ザー」という音が、小さなスピーカー2台から流れてくる。小さい子供はこれを見てとても興奮すると、担当が話していた。
変な名前のひとだな、とか思ってたら、あとで見たパンフレットに映像ディレクターと振付家のユニットって書いてあった。ダンス表現はよくわからなかったけど、引き込まれてしまった。群れと、個人と。二項対立の考え方って私もよくするんだけど、どうなのかな。わかりやすいけれど、どこか機械的な側面が厭わしく感じたり。好きだけど。
   
  
しばたゆり(絵画)
自己と他者、人とモノとの関係を見つめて制作を続け、ているらしいです。“モノ”を粒子にして、その粒子を使ってその対象の絵を描く(つくる)っていう作品を見た。自分の髪の毛を粉状にして、髪の毛を描いたり、イノシシの毛やハギを粉にしたり。あと衝撃だったのは、『lipstick』(2006)。自分の血液で口紅をつくってしまうという。なにかもう、カニバリズム的なものと近いんじゃないかとすら思えてしまった。「私は私の口紅をつくらなければと思った。」とか。記憶と所有と再構築。なんだろう。自分の手を加えることで、自分のものになるって、なんかの古典にあったような。忘れたくないのかな。忘れるのが怖いのかな。いろいろ考えさせられた。
   
   
梅田哲也(ミクストメディア)
現代美術って絵画とか彫刻とか分けるの難しいと思うけど、さらに分類不能。『分け方』(2009)「空間を分けているのは線です。線を引いて、つむいで。半々くらいの割合でそれは目で見えるものではなく、耳できくことです。引かれた線のせいである法則が浮かびあがったら、今度は線を切って、ねじって、ぐるぐる渦をまいて、これは独立の方程式です。」「とにかく執拗に観察することからはじめます。すれば線はおのずと決まります。他に方法がない、といった具合で。だから本当のところは“分かれ方”が適当なんですけど、語感があまりよくないのと、文字にしたとき素数がいいので“分け方”としました」(梅田哲也/配布プリントより)
作品追うのに必死で考える暇などありませんでした。そこで起きている全部の事象を把握するのは私には無理なんだなと思ったのと、どうしても知りたいと思って奔走したのと。こう見ると鑑賞の仕方にかなり性格出るんだな、と。
   
   
赤松きよ(彫刻)
作品名がエスペラントだったりする。何故エスペラントなのかは聞きそびれてしまった。『Nectar of Chinese milk vetch』(2009)がおもしろかったかな。ウサギみたいな顔をした、のっぺりした足のない動物みたいなのが行進しているような。なんて説明したらいいのかよくわからない。後ろから見たら頭蓋骨のようにも見えて。わたしは気色悪いと思った。
質感が強烈だったかな。正直よくわからなかって何も言えないところ。
   
   
志賀理江子(写真)
舞台設定を組んで写真を撮る人。色も、もちろん対象にあわせて変えてるんだろうけど、つくっていく。ビビッドな色合いとか、はっきりした明暗とかもあいまってわりとショッキングな画面が多かった。一番おもしろいと思ったのは中央にぶら下がっていた『祈られコンパス』(2005-09)。二つのでっかい万力が写真(?)をがっちり抑えているものが、細いワイヤーで吊り下げられていて、さながら方角を示すコンパスの様。祈るような気持ちになるとか。自分のなかにがっちりしたものがある、とか。
ずっと前、森本千絵っていう若い女性アートディレクターがTVに出てて、同じようなことを言っていた。自分の中に、がっちりつかめるものを常に探してると。彼女もなにか作るときにすごくこだわった作り方するというのを感じたので、志賀さんも彼女に似てるのかなと思ったんだけど。なにか瞬間的な強さを求めてるようなとことかも、似てるかなって。
私の目はフシアナなのでちがうと思う。

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